今回は、型枠大工のちょっとした技術を紹介します。
写真は、開口枠の押さえ方です。
開口枠とは、建物の窓や扉などの開口部分をつくるための型枠のことです。
この開口枠、ただ所定の位置に置いておけばいいというものではありません。
コンクリートを打設するときに動いたり、変形したりしないよう、しっかり固定する必要があります。
そして、その押さえ方にもいろいろな方法があります。
一般的には、セパを取って締め付ける方法がよく使われます。
自分もそれが一番安心安全だと思います。
ただ、今回は金具を使って押さえています。
なぜか。
解体屋さんが、少しでも解体しやすいようにするためです。
今回の開口枠は、コンクリートを打設して終わりではありません。
解体したあと、次の階でも同じ開口枠を使います。
これを「転用」といいます。
つまり、一度組んで終わりではなく、解体して、また組んで、という作業が続くわけです。
そこで自分は、解体するときの手間を少しでも減らせるよう、金物を使った押さえ方を選んでいます。
型枠大工は組むのが仕事ですが、そのあとには必ず解体する人がいます。
自分たちが組みやすければそれでいい、というわけでもありません。
次に作業する人が、なるべく仕事をしやすいようにする。
そういうことも大切だと思っています。
さて、今回の写真。
よく見ると、いろいろな金物が取り付けられています。
今回は、自分が普段使っている金物を使って、5種類ほどの押さえ方を紹介してみました。
ちなみに、今回の開口枠なら、本来はこのうちの1種類しか使っていません。(階高やコンクリートの逃げ、スランプなどを考慮して)
5種類も必要ありません。
記事にするため、紹介用としてわざわざ取り付けました。
せっかくなら、いろいろな方法を知ってもらいたい。
そんな気持ちで写真を撮りました。
撮影も終わり、あとは余分に取り付けた金物を外すだけ。
だったのですが。
外すのを忘れました。
きれいさっぱり忘れました。
つまり、どうなったか。
解体屋さんは、結局あの金物を全部外すことになりました。
解体屋さんが少しでも楽に仕事できるようにと、わざわざセパを取らずに押さえているのに。
紹介しようとした結果、解体屋さんの仕事を増やしてしまいました。
普段なら1種類外せば済むところを、今回は5種類です。
自分は写真を5種類撮って満足し、解体屋さんは金物を5種類外す。
何のための工夫だったのでしょうか。
解体屋さん、ごめんなさい。
つよし
